ときに水面を眺めながら

そんなに美しくもないし優しくもない人生

花びらの行方

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初夏。
南からやってくる梅雨の気配に慌てながら、小さな庭では花が満開になる。
草花も美しいけれど、この季節はこぼれるように咲き乱れるバラが主役。

庭に植えたバラは全てオールドローズ
香りが強く・色鮮やかで・多花性のものを選びました。

四季咲きのバラと違って初夏しか咲かないけれど、1か月間は花を楽しめる。
しかも手入れは冬の終わりの剪定だけ。
殺虫剤も抗菌剤も不要なのに、とにかく良く咲くから気に入っている。

 

特に満開を迎える季節は圧巻。
風の無い早朝
庭に面した窓を開けると、冷たい朝の空気と一緒にバラの香りが家の中に流れこんでくる。

バラの香りを吸い込むと体の中がバラ色に染まるような、そんな幸せな気分になる。

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惜しげもなく次から次へと咲いては散るバラの花。
地面に絨毯のように敷き詰められたバラの花びらを見て「こんなに綺麗で良い香りの花びらを捨てるのはもったいないなぁ」って、毎年思う。

 

そういえば昔
綺麗な花びらをお風呂に浮かべて入浴したことがあった。
いわゆる「バラ風呂」なんだけど
バラの香りって繊細だから、どうも熱いお風呂では一瞬で香りが飛んでしまう。
香りも楽しみたいなら、温水プール程度のぬるい温度じゃないとダメみたいだ。

そして盲点だったのが花びらの処分。
もう、本当に後始末が大変で大変で。(/ω\)二度とやらない。

「では、花びらじゃなくて花ごと入れてしまおう! クレオパトラ気分で!」って思って、たくさんの花をまるごと浴槽に浮かべたら
虫も浮かんだ。(/ω\)二度とやらない。

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ある日、子どもが通う保育園で「花びらで色水を作って遊ぼう!どんな色になるかな?」というテーマで水遊びをすることになった。

「花びらが足りない」というので、スーパーの袋に淡いピンクから真紅の花びらをパンパンに詰め込んで3袋持って行ったのね。
こども達より保育士さん達が喜んじゃって「これでバラ風呂入りたい!」って幸せそうに言ったので笑ってしまった。

(/ω\)そうよね、やっぱり「まずはバラ風呂!」って思うよね。

その日の夕方、子どもを保育園に迎えに行ったら、たくさんの子ども達が淡いピンク色の水の入ったペットボトルを持って、ニコニコしながら保護者の帰りを待っていた。

それがなんだか嬉しくて可笑しくて可愛くて、私はまた笑ってしまったのを覚えてる。
バラは、人を幸せにする。

  

あれから4年。もう、こどもは何も覚えていないみたい。
バラの香りとともに、幼い記憶は淡く消えてしまった。

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今年もバラはたくさん咲いた。

バラの花びらでジャムを作ったり、乾燥させてローズティーにしたり。
バラのポプリを作ってもいいかもしれない。

食用の花びらなら、そのままサラダにかけたりスイーツに使ったりもできるみたいだ。
よくよく調べれば、世界中にバラのレシピがあるんだね。

たとえば宗教道具「ロザリオ」は、ローズの花びらを香油で丸め乾燥させたビーズを使って作ったのが起源:名前の由来だと言われている。

古今東西
バラの楽しみは、尽きないみたい。

 

画像のバラについては、暮らしの道具箱「レトロ玉手箱」でご紹介しています。併せてご覧ください。

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