ときに水面を眺めながら

そんなに美しくもないし優しくもない人生

梅雨に咲く花 タチアオイ

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梅雨の花といえばアジサイだけれど、タチアオイも梅雨に咲く花。
繊細で大きな花弁は、幼い頃に薄紙で作った紙細工のよう。

この花は大きくて華やかだけど切り花には向かなくて、水に挿してもすぐに花弁はしおれてしまう。
そのくらい弱々しい花なのに、雨に打たれても華やかに咲きそろうのだから見ていて飽きない。

 

庭を造るとき、色鮮やかな西洋種のタチアオイを植えたのだけど、なぜか1年で消えてしまった。
その代わり、どこの畑から飛んできたのかノラのタチアオイが数年前から庭で咲いている。
放って置いたら、年々株も花も大きく華やかになって(多年草だから)賑やかになった。

花が自分で好きな場所を選んで咲いたのだから、私も引っこ抜くでもなく毎年花咲く頃を楽しみにしている。

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タチアオイの花は、大きく立ち上がった茎の下から順番に咲くのが面白い。
基本的に花は上から咲くのが普通なので、その辺もタチアオイの魅力なのだと思う。

古来から日本ではこの花が咲き始めると梅雨が始まる。
そしてタチアオイの花が上まで咲くころに梅雨が明けるのです。

だからタチアオイは夏の季語。
風雅に梅雨葵と書くこともあるそうだから、日本の言葉遊びは粋だと思う。

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花ばかりに目が行きがちだけど、観察していると丸くてコロンとした蕾も可愛い。
なんだか野菜のオクラにそっくりだなぁなんて思って調べたら、オクラもアオイ科だった。
ちなみにオクラの花は淡い黄色。

 

庭でタチアオイを楽しむなら、白や淡いピンク色は群生させると見応えがあるし、濃い色なら1株でも見栄えする。

私の庭では白やピンクの野良タチアオイのほかに、なぜか園芸種の赤紫色やクリーム色のタチアオイまで咲いているのだが、
さて、アナタ方はどこからいらっしゃったのか?

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タチアオイはたくさん種ができるし、こぼれダネで際限なく増えていく。
(銀行の口座もこんな感じで貯金が増えたらいいのにね)

花が上まで咲くと花の重みで2メートル以上の茎が倒れこんで種を落とす。
なかなか戦略的かつ頭の良い増え方をするので、気が付くと庭にたくさん小さな芽がでている。

まぁ要するに雑草と一緒。どんどん増える。

小さな庭ではこれ以上増えると足の踏み場がなくなるし、葉は虫がたくさんついてボロボロに汚くなるので、梅雨が明けたら全部切ることにしている。

それでも毎年豪華な花が咲くのだから、タチアオイの花は優秀だ。